1 一般競技部門

1.1 競技規則の変更

①規則

これ等の規則は日本ダンス連合(以下JDA)の競技規則です。

②規則変更提案

これ等の規則変更はJDAの競技委員会によって作成されたものです。これ等の規則に対する変更提案は、JDA事務局に提案され、競技委員会によって検討されるよう手配される。

③規則変更の採用

規則変更は競技委員会の単純多数決によって決められる。変更は競技委員会終了後、即有効である。または、競技委員会が別途定める日時より有効となる。

④区分

本規則下に置かれる地域区分:

東部総局 北海道 青森 岩手 宮城 秋田 山形 福島 東京 神奈川 埼玉 千葉 茨城 栃木 群馬 山梨 新潟 長野 沖縄
中部総局 愛知 岐阜 静岡 三重 富山 石川 福井
西部総局 大阪 兵庫 京都 滋賀 奈良 和歌山 鳥取 島根 岡山 広島 徳島  香川 愛媛 高知
九州総局 福岡 佐賀 長崎 熊本 大分 宮崎 鹿児島 山口

1.2 選手権大会の公認―一般

①スポンサー権

スポンサーの受け入れ条件ならび保証の条件は、JDA理事会にて決定される。

②クローズド・オープン選手権大会

全てのタイトルはオープンである。例外としてJDA理事会が認可したタイトルはクローズドが可能である。

③禁煙

競技会会場内では禁煙とする。

④10ダンス・ショーダンス

これ等のタイトルの開催は、既に設立された規則に則って行われなければならない。

1.3 商業目的の映像・テレビ・ビデオ

①カメラ・イソレーション (被写体固定撮影)

如何なるダンスの撮影時に一組のカップルに対して30秒以上固定撮影をしてはならない。ショーダンスでは免除される。

②肖像権

大会の一切の肖像権はその使用目的にかかわらず全ての権限は主催者にあるものとする。

1.4 選手権タイトル

選手権大会タイトルは以下の部門で与えられ、各部門のそれぞれのダンスは定められた順序に従って毎ラウンド踊ること。

タイトル

ボールルーム、ラテンアメリカン、10ダンス、ショーダンス

ダンスの順序

①ボールルーム

ワルツ
タンゴ
ヴェニーズワルツ
スローフォックストロット
クイックステップ

②ラテン

チャチャチャ
サンバ
ルンバ
パソドブレ
ジャイブ

③10ダンス・ボールルーム

ワルツ
タンゴ
ヴェニーズワルツ
スローフォックストロット
クイックステップ

④10ダンス・ラテン

チャチャチャ
サンバ
ルンバ
パソドブレ
ジャイブ

1.5 ヴェニーズワルツのテクニック

オーストリア/ドイツのヴェニーズワルツのテクニックは、全てのイベントで有効である。

踊ることの出来るフィガー:

  1. ナチュラル・ターン
  2. リヴァース・ターン
  3. 右足フォワード・チェンジ。ナチュラルからリヴァース
  4. 左足フォワード・チェンジ。リヴァースからナチュラル
  5. 左足バックワード・チェンジ。ナチュラルからリヴァース
  6. 右足バックワード・チェンジ。リヴァースからナチュラル
  7. リヴァース・フレッカール
  8. ナチュラル・フレッカール
  9. チェック、リヴァース・フレッカールからナチュラル・フレッカール
  10. 右足フォワード・チェンジからのリバース・ターンに先行するナチュラルピヴォット
  11. 左足フォワード・チェンジからのナチュラル・ターンに先行するリバースピヴォット

1.6 10ダンスのラウンド

10ダンス選手権大会においては1日の内に各部門4ラウンド以上であってはならない。準決勝から決勝に至るまでの各部門は別々に完了しなければならない。その後に開始する部門の順序は最初にボールルーム・ダンスから始めて決勝終了まで行き、その後ラテンアメリカン部門が続く。

1.7 10ダンス - 部門の順序

10ダンス選手権大会ではボールルーム部門から始めなくてはならない。

1.8 10ダンス休憩

二つの部門間では最低でも40分の休憩時間、各ラウンド間では最低20分の休憩時間を設けなくてはならない。

1.9 10ダンス - 順位の計算

10ダンス選手権大会は、単科で競い合う個人別のリコールと単科の最終順位である。最終ラウンドに入らないカップルの順位は準決勝または他のラウンドで取得した点数が計算の基礎となる。

2 音楽部門

2.1 音楽の時間制限

公認タイトルならびに公認競技会の全てのラウンドで演奏される各ダンスの音楽に対する推薦される時間制限:

各ヒートにおける音楽の長さ
JDA競技会の全てのラウンドで演奏される各ダンスの音楽は、チーム・マッチを除いて、全て最低1分30秒最長2分以内。

2.2 ダンスのテンポ

JDA競技会の全てのラウンドで演奏される各ダンスの音楽のテンポは:

ボールルーム
ワルツ 28bpm
タンゴ 32bpm
ヴェニーズワルツ 60bpm
スローフォックストロット 28bpm
クイックステップ 50bpm
ラテン
チャチャチャ 30bpm
サンバ 48bpm
ルンバ 24bpm
パソドブレ 56bpm
ジャイブ 42bpm

注意:テンポはその時々によって改定されます。
bpm: Bars Per Minute(1分間の小節数)

3 オーガナイザー部門

3.1 競技会プログラム・パンフレット

プログラム・パンフレットの作成ガイドライン:

  1. 参加選手に対しての記載は平等でなければならない。
  2. 参加選手の写真の数と大きさは同じでなければならない。
  3. 全ての参加選手に広告を搭載する機会を与えるか、もしくは参加者の広告は一切、掲載しない。
  4. 参加選手の正確、且つ事実に基づいた選手の履歴、これにはもっとも最近の公認タイトルでの順位を適切な形式で掲載する。
  5. 如何なる参加選手に対する「意見」、即ち、主観的な意見や批評を掲載してはならない。
  6. イベント開催前の如何なる公告またはプログラムの表紙(表1)、または裏表紙(表4)に参加選手に関しての搭載をしてはならない。

3.2 リコール

決勝以前の全てのラウンドでは参加選手の50%以上が次のラウンドに進出しなければならない。

3.3 救急医療

全ての競技会に救急医療員が待機していなければならない。

3.4 ビジュアル採点システム(旗上げ)

①点数の表示

ビジュアル採点システムが採用される場合に、点数の表示は決勝の各ダンスの後または決勝の最後のダンスの後に行う。どちらを採用するかはオーガナイザーの選択による。

②採点方式を選手に告げる

オーガナイザーは事前に選手や役員にどの採点方式が採用されるか知らせなければならない。また大会要項にもはっきりとどの採点方式が採用されるか記載されていなければならない。

③点数表示される時

ビジュアル採点システムが採用される場合に、オーガナイザーは事前に選手や役員にどの採点方式が採用されるか知らせなければならない。また大会要項にもはっきりとどの採点方式が採用されるか記載されていなければならない、更に、点数の表示は決勝の各ダンスの後または決勝の最後のダンスの後に行うのか、そのどちらかを記載しなければならない。

3.5 フロアの面積

JDA競技会におけるフロアの面積は、原則として1組25平方メートル以上とする。

4 競技選手部門

4.1 プロフェッショナル登録

①選手登録

全てのプロフェッショナル選手はNDCJ加盟団体に登録しなければならない。

②登録料

登録選手は、別に定める選手登録料を納めなければならない。

③インターナショナル選手登録

外国で開催される全てのWDC公認世界選手権(ボールルーム・ラテン・10ダンス・ショーダンス)に参加するにはNDCJを介してWDCのインターナショナル登録をしていなければならない。

4.2 アマチュア登録

①選手登録

全てのアマチュア選手はJDAに登録しなければならない。

②登録更新については、次のとおりとする。

JDA競技会に出場する選手の選手登録は、毎年更新するものとする。

③登録料

選手登録料は無料とする。年会費は別に定める。

4.3 注意事項

①リフト(ボールルーム & ラテン ダンス部門)定義

ショーダンス・タイトルを除いて全てのプロフェッショナル及びアマチュアの競技会ではリフトは許されない。この規則上リフトの定義とは:“どちらか一方のダンサーがパートナーの助けまたはサポートを受けながら両足が同時に床から離れる動きである。”

②ドーピングの禁止

選手の健康を保持、競技の公正な実施を確保するため、ドーピングを禁止とする。

③演技の中断

競技中に演奏される音楽の途中で演技を中断した選手は、その種目は棄権とみなす。決勝時に演技を中断した選手は、その種目は最下位とする。

5 審査員部門

5.1 プロフェッショナル登録

①審査員登録

NDCJ登録団体のいずれかに審査員登録をされた者でなくてはならない。

②複合登録

JDAに選手としても登録されている審査員は同一年度内に一つの区分(審査員もしくは選手)のみを代表する事が出来る。

③審査員資格

審査員登録書は審査員がラテン、ボールルーム、または両方審査する資格を保有する事を特定していなければならない。

5.2 審査員と審査

①審査員の最少人数

JDA競技会では以下の最小審査員数が定められている:

プロフェッショナル部門:5名
アマチュア部門:3名

5.3 審査員長(公認タイトル)

①審査員長は点数の正しい解釈をする責任を担う。審査員長の責務として、各ラウンド終了後点数を点検し、何組のカップルが次のラウンドに進めるかを主催者と同意しなければならない。

②審査員長は全ての競技会において各ダンスで演奏される音楽に対しても責任を担い、その音楽が正しいテンポで演奏されているかも含む。音楽に対する全ての苦情は審査員長に対してのみ行われ、他の何人に対しても行われてはならない。

5.4 審査員と家族

3親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族、が競技会の特定のヒートに参加している場合には、その審査員はその競技部門の審査をしてはならない。

5.5 プロフェッショナル審査

全てのプロフェッショナル競技会はプロフェッショナル審査員によって審査されなければならない。

5.6 審査員の資格

プロフェッショナル審査員は対象となるダンス種目の資格試験に合格した者で且つ本人が所属している団体の身分証明書を保有していなければならない。

5.7 選手による審査 - 禁止

如何なる現役のプロフェッショナル競技選手はプロフェッショナル競技会で審査をする事は許されない。

5.8 アマチュア選手権大会の審査

アマチュア選手権大会では、審査員の過半数以上のプロフェッショナル審査員と、最低1名のアマチュアの審査員を含んでもよい。

5.9 審査員 ― 基本要綱

審査を引き受けたプロとしての基本要綱:

会場に到着した時には:

①オーガナイザーと審査委員長に自分が来場した事を告げる。
②競技会の時間割を確認する。
③予定通りに行動する。

5.10 審査員の振る舞い

  1. 審査員は競技会場内においては最もプロらしき立ち振る舞いをする。
  2. 競技会が行われている期間、審査員は参加している選手にレッスンをしたり、アドバイスをする事を厳格に禁じられている。
  3. 審査員は選手の妨げにならない場所で、お互いに離れて座るか立つ。
  4. 念のため、もし審査員が観衆、参加選手、またはコーチと会話を交わす場合、競技会のイベントの終了後までは如何なる競技選手の演技に関して言及してはならない。これに従わない場合、懲罰の対象と成りえる。
  5. 審査員はお互いにメモを照らし合わせてはならない。審査は独立して行う。
  6. 審査員は全ての選手に目が行く届くよう、フロア上を自由に動き回る事が出来る。
  7. 審査員は音楽が終るまでフロアに留まらなければならない。
  8. 審査員は採点用紙にインクで点数を記入し、サインをする、自分のコード文字も記入する、訂正箇所には自分のイニシャルを書き込む。

5.11 選手権大会での採点

①50% リコール

決勝前の全てのラウンドでは参加選手の50%以上が次のラウンドに進出しなければならない。

②6組 決勝戦

可能な限り、6組の選手を決勝に進出させなければならない、審査員はこのラウンドにおいて同点を出してはならない。

③決勝戦でのスケーティング・システムの導入

選手権大会の最終決勝戦では点数査定にはスケーティング・システムを導入しなければならない。

5.12 10ダンスの点数

10ダンス選手権大会はシングル・ダンスで競い合い、個人のリコールとシングル・ダンスの最終順位、準決勝や他のラウンドで獲得した点数が、決勝まで到達しなかった、選手カップルの順位(成績)の計算基盤となる。

5.13 結果の報告

全ての競技会の採点結果は競技委員会にデータにて送らなければならない。

6 ショーダンス競技会

6.1 ラウンド数

ショーダンスのラウンド数は3ラウンド以上であってならない。

6.2 ダンス

ボールルーム・ショーダンスは通常の5ダンスの1つから5ダンス全部迄選択する事が出来る。
ラテンアメリカン・ショーダンスは通常の5ダンスの1つから5ダンス全部迄選択する事が出来る。選択したダンスがショーの最低75%を占めるのであるならば、振り付けをより豊かに完成するために他のダンスの要素を取り入れても良い。ダンサー達はリハーサルと競技会では同じショーと振り付けを貫かなければならない。

6.3 音楽

ショーダンス競技会への招聘状では選手達にどの様な音楽媒体の使用が可能であるかを選手達に通知しなければならない。ショーダンス競技会で使用するのは常に以下の媒体である:

  1. Compact Disc.
  2. mp3 Player/ iPod/ iPad.
  3. USB Audio media.

6.4 音楽の著作権

音楽の著作権に関してはその音楽の著作権リストを主催者の指定する提出期限までに主催者に提出しなければならない。このリストに含まれるもの:アレンジ者、作曲家、作詞家、出版社、CDまたはレコード番号。

6.5 音楽の演奏時間

ショー音楽の演奏時間は4分以内とし、この限度を超えてはならない。また、4分の中にフロアへの入退場の時間も含まれる。超過した場合は, 即、失格とする。

6.6 ホールド

ボールルームのショーダンスでは最小でも以下のホールドが必要である:

  1. 男子は左手で女子の右手を保持する。
  2. 男子は右手を女子の背中に置く。

如何なる逸脱も一回に付き20秒間許される。一度逸脱した後再度ホールドに戻ったならば次の逸脱に移る前には最小でも15秒間ホールドを保たなくてはならない。ボールルームのショーダンスで可能な逸脱回数は、始めと終わりを除いて、4回である。音楽の通常の盛り上がりを考慮して、競技の最初は、ホールドを開始するまでに20秒間の余裕が与えられる。同じ事が終演に適用され、音楽の終了20秒前にホールドを解くことが出来る。

6.7 リフト

全体の演技のなかで3回迄リフトが許さる。ショーの間どの部分で行われてもかまわない。各リフトは15秒を超えてはならない。

6.8 小道具と衣装

小道具は入場、演技の間、退場の際に使用してはならない。男子ならびに女子衣装はショーのテーマを補足するものであり、ボールルームまたはラテンアメリカンのスタイルでなくてはならない。

6.9 競技監督(Invigilator)

ショーダンスの競技会(単独または他の競技会と複合)では必ず2名の競技監督がいなければならない。実際の競技会での違反は直、失格となる。競技監督は選手カップル失格に付いて報告するだけである。責任の所在は審査員長とする。主催者は競技監督を助けるためにビデオカメラと撮影カメラマン、ビデオ・スクリーン、スロー画像と静止画像を撮影できるビデオ機を提供しなければならない。

6.10 競技会

照明を含むショーの間の条件、これは入場と退場を通して全ての選手に対して一貫して同じでなくてはならない。全てのショーダンス選手権大会(単独または他の競技会と複合)の前に、実際の競技会場のフロアで公式なリハーサル・タイムを設けて、選手達が自分の演技を試す適当な時間を設けなければならない。

音楽演奏付きのリハーサルでは音響技師が出席して手助けを出来るようにしなければならない。リハーサルに参加する事は全ての選手、審査委員長、競技監督とビデオ担当者等の責務である。全てのショーはリハーサルと本番の映像を記録するが、あくまでも、規則違反のあった時の情報ならびに証拠として採用するものである。もし、実際にリハーサルで違反が見つかった場合に、競技監督は該当する選手カップルにその旨を伝える。それによって、選手カップルが本競技会での演技を訂正する事が出来るようにする。

実際の競技会での違反は直失格である。演技は一般的道徳に反したり、元の宗教的理念を除いて、その宗教的理念を脱落したアイディア等は競技監督によって規制されなければならない。リハーサル終了後から第一ラウンド開始までは1時間半なくてはならない。必要であれば、前日にリハーサルを行う事が出来る。

6.11 ダンスの順番

全ての選手と選出された代表達が参加する権利のあるくじ引きによってダンスの順番が決定される。リハーサルの順番は第一ラウンドのくじ引きの結果と同じである。

6.12 舞台の上の選手番号

審査員や観客が見えるように選手の番号は舞台の上に表示されなければならない。

6.13 入場と退場

選手は15秒以内にフロアに歩いて(walk)上がる。自分達のショーの終了後はお辞儀をして、30秒以内に退場する。退場には音楽を伴っても良い。退場時の音楽は厳格に30秒と定められている。選手の入場、演技、退場時にはそのカップルのみがフロアにいることが出来る。

6.14 ラウンド間の時間

ショーダンス競技会では各ラウンドの間では最低でも30分なければならない。

6.15 採点方法

決勝ラウンドでは各ショー毎に技術点と芸術点を与えられる。これは各カップルを単体(独立して)採点するもので、比較採点ではない。

a. 技術点

踊りの技術点。

b. 芸術点

  1. 振り付け
    音楽を完璧に表現しているか?
  2. アイディアの独創性
  3. 音楽と関連している
  4. 振り付けに関連して特定の音楽と関連しているか?
  5. テーマのアイディアに関連しているか?
    (振り付け的に、演技、衣装の選択)
  6. 一般観客に対してエンターテイメントとしての要素

点数の範囲は4.0から最高6.0迄。
2組またはそれ以上のカップルは同点であってはならない。
採点管理委員によって2つの技術点、芸術点が加算され、各審査員によって各カップルの順位が決定される、即ち、各審査員の得点が順位換算される。
ビジュアル採点(旗揚げ)の場合には技術点と芸術点のみ旗が掲げられる。
個々の各審査員の点数が配分されてからスケーティング・システムが活用されなければならない。
上記の採点方法は決勝ラウンドのみで適用される。

7 (法令の準拠)

本規定に定めのない事項は、すべてJDA理事会に従う。

以上が一般社団法人日本ダンス連合の競技規定に相違ない。

2022年(令和4年)年3月 1日

一般社団法人 日本ダンス連合

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